標準的なリニアレギュレータ-概要

リニアレギュレータとは、定電圧回路の直流電源として使用される素子のことです。オンとオフを繰り返すことで一定の出力電圧を維持しているスイッチングレギュレータと違い、内部の制御素子によって一定の電圧が保たれています。
制御素子には、一般的にツェナーダイオードやトランジスタ、もしくはMOSFETが使用されており、目的とする電圧を超えた差分を熱として消費することで、安定したレベル出力を維持します。
出力する電圧より大きな入力電圧を必要とし、標準的なもので3ボルト以上のドロップアウト電圧が必須となります。これを改善し、ドロップアウト電圧を1ボルト程度としたものはLDO型に分類され、広く利用されています。ドロップアウト電圧は、出力電圧-入力電圧で表されます。
出力電圧は、デバイスによって固定タイプと可変タイプが存在し、可変タイプはフィードバックピンの入力電圧を設定することで調整します。

リニアレギュレータを使用することのメリットとデメリット

最も大きなメリットは、部品点数が少ないため小規模な回路で済むことです。デバイスの入出力ピンは、入力電圧、出力電圧、グランドの3ピンが基本で、可変タイプの場合はフィードバックピンが追加されます。
電圧固定タイプに必要とされる外付け部品は、入出力部分のコンデンサのみで、可変タイプでも分圧抵抗の追加だけで済み、通常の電源に比べ部品点数を大幅に抑えることが可能です。
レギュレータ素子と基本的なディスクリート部品のみという、簡素な回路で構成できることから、電源に精通していない設計者でも容易に回路を組めるというメリットも存在します。
このため、嵩みがちな電源回路の設計費用も抑えられ、不具合対応も比較的容易なことからデバッグ時の負担も軽減され、ひいては原価低減にも繋がります。

標準的なリニアレギュレータを使用する際の注意点

注意すべきデメリットの一つに、熱の発生があります。
電源の効率は、出力電圧と入力電圧によって決定されるため、降圧によって定電圧回路を生成している場合、必然的に効率が悪くなると同時に余分な電圧は損失となり、デバイス自体が発生する熱となります。
損失は、(入力電圧-出力電圧)x電流で表されるため、ドロップアウト電圧や負荷電流が大きいほど発熱には注意が必要となり、デバイスの熱をいかに効率よく他所に逃がすかが大きなポイントとなります。
通常はパッケージの設計時に、デバイス実装エリアに放熱用のランドを設けますが、消費電力によっては放熱が思うようにいかないこともります。このため、ランドはできる限り広範囲とし、場合によってはヒートシンクや冷却ファンなど、装置全体として熱対策を行います。