+/-両方の回路用が存在する標準型リニアレギュレータ

スイッチングレギュレータ同様、電源電圧を変換する時に使う部品がリニアレギュレータです。大小複数のグレードがありますが、標準型のパッケージはいずれも各種トランジスタに準じます。そのため小さく、正負どちらのタイプも存在するうえ、値段的には流通数の多いトランジスタやオペアンプと同じくらい安価なことが特徴です。
レギュレータの名前が示すとおり、本来の機能は安定した電圧の供給。しかし、副次的な効果として、入力電圧に含まれるリップルノイズを大変よく取り除く便利な部品としても知られています。
これらの理由から、リニアレギュレータはスイッチングレギュレータで生成した電圧を元に、ノイズを嫌うアナログ回路で必要な電圧を作る場合によく利用される部品です。
具体例を挙げれば、+24Vから+/-12Vの変換プロセスにスイッチング方式を使い、そこからクリーンな+/-9V電源を作るためにリニア方式を使うという具合です。なお、電気の世界では昇圧や降圧は絶対値で考えますから、12Vを9Vに下げる行為は極性が正でも負でも一様に降圧と表現します。

リニアレギュレータの動作原理と型式の見分け方

リニア方式の動作原理は、入力と出力の間にトランジスタを挿入し、両者間の電位差をここで吸収するというもの。調節するのは出力電圧ですから、実際に監視してフィードバックを掛ける対象は入出力間電位差ではなく、グランドと出力間の電位差です。形状的に入力、グランド、出力の3つの端子を持つために、昔からある標準的なタイプを日本では三端子レギュレータと総称する習慣があります。
製造は複数のメーカーが行っていて、見分け方はいずれの製品も同じです。前後や途中にメーカー固有の略号やパッケージを示すアルファベットが入りますが、ポイントは78**または79**の数字。78が正電源であることを示し、79が負電源であることを示しています。**の部分に入るのは出力電圧の絶対値です。従って、7805なら+5V出力、7912なら-12V出力というように見分けます。

設計にあたって注意するべき点と上位互換部品

設計時に注意すべき点の1つに、レギュレータに消費させる電力の把握があります。といっても、最大負荷電流と電位差から最大消費電力を計算し、使おうとしているパッケージの放熱特性がこれに適応することを確認するだけの作業。要は、この計算を忘れてはいけないという話です。
例を挙げれば、最大80mAの電流を消費する負荷回路のために12Vから9Vに電圧を下げるなら、レギュレータの消費電力は3V×0.08A=0.24Wとなります。
もう1つの注意点は、動作に必要な入出力間電位差の確保です。標準タイプの場合、最低でも2Vの差が必要ですから、3.3V出力を得るには6V以上の入力電圧が理想となります。ならば、5Vのシステム電源から3.3Vを取るのは不可能かというと、そんなことはありません。
問題を解決するためにLDOと呼ばれる低飽和電圧型が存在します。LDOは電位差吸収用のトランジスタとして、オン抵抗が小さいFETを使っているため、入出力間の電位差が小さくても機能するのが特徴です。昨今は乾電池や小型バッテリーで動作させる必要があるデジタル回路用として多く使われています。